小児矯正で歯並び/咬み合わせを改善した症例
小児矯正で歯並び/咬み合わせを改善した症例 No.B-01
【9才 女の子:前歯の歯並びが気になる】
初診時の歯並び
こちらの患者さまは、前歯の歯並びが気になるということで来院されました。
矯正の検査をしたところ「上顎、下顎ともに小さいため歯の並ぶスペースが足りない」と診断しました。
上顎が小さいため、お口の中が小さくなっています。その影響で舌の位置や動き、呼吸や飲み込む動作といった機能との調和が上手くいっていないことが予測されます。舌の位置や動きは、顎の成長や鼻呼吸、飲み込む動作と密接に関わっています。
顎が小さく歯並びの悪い子は、舌の位置が悪く、鼻呼吸が不得意で、口呼吸になっていることが多くみられるのです。ご両親に聞いたところ、やはりお口が開いていることが多く、口呼吸をしているとのことでした。
健康的な歯並びと鼻呼吸を手に入れてもらうことをゴールに矯正治療の方針を立てました。
矯正器具により顎の成長を促し歯が並ぶことができるスペースを作る。
並行して呼吸・嚥下・顎の成長のために舌の動きや位置を習得する。
矯正治療の実施
さぁ矯正スタートです。
初めに上顎を大きくしていきます。上顎を大きくすることで、下顎の本来の成長が促されます。また上顎の前方への成長にもとても有効です。
今回は写真の装置を使いました。この装置は、自分で取り外しができるタイプで歯磨きがしやすく虫歯になりにくい矯正ができます。
装置は、一日の生活の中で、できるだけ長く使っていただくことが大切です。また同時に、舌の位置や動かし方を一緒に学んでいきます。
矯正を開始して4ヵ月後の写真です。前歯の受け口が改善しています。頑張って装置を使ってもらえると、私もとても嬉しくなります。
この写真はさらに1年が経ったときのものです。この期間には、上顎の前方成長を促す装置(上顎をゴムの力で前方に引っ張る)と下顎を大きくする装置を使っています。
この時点で下の前歯の重なりがなくなっているのが見られます。上下の顎が成長してくれて、永久歯の生えるスペースができあがってきています。
下顎にはこんな装置を使いました。この装置も一日の中でできる限り長い時間の使用をお願いしています。
だいぶ治療が進んできましたが、まだ前歯が深くかみ合っているのが気になります。奥歯のかみ合わせの高さや下あごの位置を見直していきます。
さぁ上下の顎のバランスをとっていきましょう。
さらに7ヵ月後です。この期間は写真のトレーナーと呼ばれる装置を使っていただきました。この装置は舌の位置の改善や、お口の周りの筋肉を正しく機能させることに特化しています。
舌や筋肉の健康的な変化は歯並びを良くすることや鼻呼吸の習得にとても有利に働きます。このころには口呼吸の頻度はかなり少なくなっていました。普段の生活で正しい舌の位置を心掛け、お口が開かないように暮らしてくれていたんだと思います。
※トレーナーの装着時間は就寝時と日中の1~2時間となります。
治療完了
前歯のすき間も閉じてきましたね。口呼吸もなく、楽に鼻呼吸ができているようです。
ここまでくると小児期の矯正は終了を迎えます。(必要に応じて後戻りを防ぐ装置を使います。)頑張って装置を使ってくれてありがとうございました!これからも歯を大切にね!
※矯正治療には後戻りの可能性がございます。
年齢/性別 | 9歳女児(初診時) |
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治療期間 | 約3年 |
治療回数 | 36回 |
治療費 | 矯正診断 33,000円/税込 小児矯正 298,000円/税込 200,000円/税込 毎月の調整料 3,300円/税込×36回 (118,800円) 必要となった追加の装置代 18,800円/税込 |
リスクなど | ・歯の移動に伴い、一時的に鈍痛を感じる場合があります。 ・矯正治療には後戻りの可能性がございます。 |